水質基準値


水質基準値の妥協?

                                       

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    水質基準値のいくつかは妥協の数字

 国が国民の健康を維持するための基準として定められた数値というからには、たいそうな実験を行い、
 その結果得られたデータを元にしているだろうと理解している人もいるだろう。


 しかし、新基準も前基準も、そのために動物実験を行っているわけではない。
 では、どういうデータを元にしているかというと、世界中から信頼できるとされる研究結果などを


 集めてきて、それらを元に基準値を定めている。と、専門家は言う。
 注意しなくてはならないのは、信頼できる研究結果にも厳しい基準を導きだしているものもあれば、


 ゆるい基準を導き出しているものもあることだ。つまり、都合の良い研究論文を集めてきてゆるい
 基準を設定されている可能性がないわけではない。


    


 なぜ、ゆるめの基準を設けなくてはならないのか?
 その理由は理想的な基準を定めた場合、明日から水道水を供給できない自治体が出てくる
 からなのである。


 浄水場の設備を抜本的に変えるには莫大な費用がかかる。
 また、川や湖沼の水の汚染がひどい場合、たとえ高性能の浄水設備でもカバーしきれない。


 川や湖沼に排水する下水処理施設を高度化するには、さらに莫大な費用がかかる。
 理想的な基準に合わせて全国自治体の下水処理・浄水設備を一新するなど無理な話。



 そこで、妥協的な水質基準を定めなければならない事情といわれている。
 では、その妥協的な基準値とはどれをさすのでしょうか? かなり、あいまいと言われている。


   

 トリハロメタンの基準値はその代表的なものといえる。と、専門家は指摘。
 これは骨や筋肉、皮膚、内臓や諸器官を構成する細胞が分裂し、新しくなってゆく際の設計図である


 遺伝子を傷つける変異原性物質であり、その中でもとくに、正常細胞の中にそもそも存在する
 ガン遺伝子あるいは、ガン抑制遺伝子に悪さをする発ガン性を持つ物質である。


 トリハロメタンとは強い変異原性を持つ有機塩素化合物を主なものとする数種の物質の事を指す。
 トリハロメタンの「メタン」は地球上によくある有機物で、これにハロゲン属元素(フッ素、塩素、臭素、
 ヨウ素、アスタチン)がくっついたものがトリハロメタン。



 クセ物は、このハロゲン属で、他の元素との化合力が大変強いという性質を持つ。
 実はこれが発ガン性の元凶だ。



 このトリハロメタンはどこからやってきたものなのかというと、浄水場で塩素を加える事で生成される。
 塩素は河川や湖沼から取水した原水を殺菌する目的で加えられるのだが、皮肉なことに、


 その殺菌過程で生まれる物質がトリハロメタンである。
 細胞が分裂して複製される際の設計図が遺伝子と述べたが、この巧妙な設計図には塩基と呼ばれる


 分子構造によって書かれた重要な部分がある。
 その部分のわずか1文字が別の文字に置き換わっても突然変異が引き起こされる。



 トリハロメタンの強力な化合力は、この誤りを引き起こす性質を持ち(変異原性)とくにガン遺伝子と、
 ガン抑制遺伝子部分に誤りを引き起こす(発ガン性)。


 ヒトは約70兆個の体細胞から成り立つが、その一つ一つにガン遺伝子とガン抑制遺伝子が存在し、
 綱引き状態で何とか正常を保っている。


 「トリハロメタンの発ガン性」とは、言い換えればガン遺伝子を目覚めさせ暴走させる作用であり、
 ガンを抑制する遺伝子をダメにし結果的にガンを引き起こす作用。
 



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