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   発症前察知・研究相次ぐ


   記憶傷害などが表れるアルツハイマー病を、発症前に察知できる可能性が高まってきた。
   特殊な薬剤を使って脳を撮影すると、病気の原因物質が蓄積しているかどうかが分かる仕組み。


   日本では放射線医学総合研究所や東北大学などで臨床研究が相次いで始まった。
   原因物質を取り除く新薬の開発も同時並行で進んでおり、早期診断できれば根本的な

   治療につながると期待される。


     


   まだアルツハイマー病の症状が表れていなくても、原因物質の「アミロイドベータ」が蓄積
   しているのがはっきり分かる。と、説明するのは東京都老人総合研究所付属診療所長の
   石井賢二氏。
   

   画像による早期診断技術の臨床研究を進めている。
   発症の前段階とされる、軽度認知障害にも該当していない人の脳画像が赤く染まって

   見える。アミロイドベータが蓄積している証拠という。


  


   
   画像診断・新薬開発・根本的な治療に道も

   アルツハイマー病患者でもやはり赤い模様が広がるが、普通の人では赤く見えない。
   新技術は米国発の「アミロイドイメージング」。


   アミロイドベータと結合する薬剤に、目印となる放射性物質を付けて注射する。
   薬剤は脳に運ばれてアミロイドベータと結合する。


   ガン診断などに使う陽電子放射断層撮影装置(PET)で脳を撮影すると、アミロイドベータの
   蓄積した場所が場ゾルに映し出される。



   日本では米ピッツバーグ大学の薬剤を使い、2005年に放射線医学総合研究所が初の
   臨床研究を開始し、約50人の患者や健常者に実施した。


     


   昨年から(2006年)東京と老人研究や大阪市立大学も臨床研究を始めた。
   一方、東北大学は独自開発の薬剤で研究を始めている。


   各機関は検査例を増やし、アミロイドベータの蓄積が確認された人が、どの程度
   アルツハイマー病を発症するかなど有効性の検証に発展させる。


   現在のアルツハイマー病の治療薬は記憶傷害などの改善にとどまり、アミロイドベータの
   蓄積を防ぐ根治薬はない。


   アミロイドベータの蓄積が早期に分かっても現時点では発症を防げないが、根治薬は研究が
   進み、臨床試験(治験)が相次いで始まった。


   実用化できれば、ガンの早期発見のように、アルツハイマー病を未然に治療できる可能性がある。


    


     アルツハイマー病画像診断に基準
   
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