かゆみを抑える飲み薬

かゆみを抑えるのみ薬として、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があります。
　　　アトピー性皮膚炎の大きな悩みの種はかゆみです。

　　　アレルギー性炎症によって産生されるヒスタミンなどの活性物質がかゆみを引き起こす
　　　一因ですが、かゆみの原因はまだまだ未解明ではあります。



　　　ステロイド軟膏やタクロリムス軟膏は炎症を抑えるので、当然かゆみも抑えてくれます。
　　　ヒスタミンなどの活性物質の作用を抑制する抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服も

　　　かゆみに効果がありますが、かゆみを抑える力はステロイド軟膏やタクロリムス軟膏よりも
　　　強くはありません。


　　　　　　


　　　しかし、多くの人が抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬をのんでいるときの方が、かゆみが少ないと
　　　自覚していますが、のみ薬の効果には大きな個人差があります。

　　　緑内障や前立腺肥大症の方では症状が悪化することがあるので注意が必要です。
　　　最近の抗アレルギー薬には眠気が少なく、緑内障や前立腺肥大症の方でも安心して内服でき、

　　　１日１回の投与ですむ薬もあります。最重症の場合にはステロイドののみ薬を使用することもある。
　　　感染症に注意しながらできるだけ短期間使用します。

　　　◆ステロイド軟膏の副作用についての一口メモ◆


　　　副作用ばかり心配するのは間違いで、皮膚炎が悪化しないように有効な塗り薬で皮膚の
　　　状態を早めによくすることが治癒への近道であることも認識すること。

　　　まずは塗り薬の「効用」を信頼し、できるだけよりよい状態に皮膚炎をコントロールすることを
　　　心がける。副作用については、医師に確認しながら治療を続けていけばなんら心配する必要は

　　　ありません。副作用の知識をもつことは必要ですが、過剰な心配をせずに医師とよく相談して
　　　塗り薬を有効に利用することがとても大切です。


　　　一方で十分にステロイド外用治療を行なっても、あまり効果のない人もいます。

　　　
　　　乳児期で7％、幼小児期で１０％、思春期・成人期で１９％に認められました。やはり
　　　生活指導や精神的なカウンセリング、その他の治療法も重要と考えられます。